さあ、会議や会合、接待、PTA等々、0鶴兄の多忙な日々の合間を縫ってあっという間に生地完成まで行ったスタントマシン。
いよいよ紙貼り〜塗装です。画像も少なく木工編に比べてあっという間に終わっているかのようですが、
実際は塗装編ではサンディングすれば粉だらけ、紙を貼ればビシャビシャ、塗ればラッカーだらけ。
ゆっくりデジカメ写したりする余裕はないのであります。^_^;
監修 0鶴兄 text K2F島
まず全体をサンドペーパーでサンディングしまくります。 部屋の中でやったりすると床はもとより、箪笥やかもいの上までバルサ粉だらけです。 鼻をかむとバルサ洟が出ますし、ご飯をたべるとバルサの味がします。 昔はお母さんから、今は妻から大層しかられます。 サンディングの粉を飛ばして、ラッカーを塗ってまたサンディング。 (ラッカーにタルカムパウダー(注1)を混ぜて塗っては乾かしサンディング)×木目が止まるまで繰り返し 最後にラッカーを塗ってまたサンディングして下地完了です。 注1)タルカムパウダー 前述のように当時を偲んでシッカロール(またの名を天花粉)で代用。 |
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0鶴兄もお母さんにしかられて外での作業となっているようです(笑) これはネコ (注2)利用の機体ハンガーで乾燥させているところのようです。 注2)ネコ 私達の地方では土などを運ぶこの一輪車のことを”ネコ”と呼ぶ。 これは方言であろうか、それとも全国共通であろうか?なぜネコなのであろうか??? ご存知の方は是非御教授頂きたい。 一台あると何かと便利ではある。 |
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ヒンジ部分もきちんと工作してあったのでこの通りフラットでつるつるに仕上がりました。 |
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下地が出来たところで紙貼り(注3)工程に進みます。 上級になるとラッカーやドープの下地にシンナーで貼ったりします。 今回は クリヤーラッカー:シンナー = 1:2 で薄めたもので貼ります。 主翼の場合左右上下4分割で貼るのが無難です。翼の形よりやや大きめにカットした翼紙を新聞紙の上に広げて霧吹きで濡らします。 注3) 紙貼り 今回はキットに入っている翼紙を使用。 模型店に行くと翼紙だけでも販売していたが、障子紙で代用する事も多かった。 昔はどの家庭でも押入れなどを探すと使いかけの障子紙が出てきたものである。 障子紙は重量的に不利ではあったが強度があり、なにより只であった(^。^) 但し、注意を怠ると主翼に桜の柄が入った風情のある機体が出来てしまったりした。 |
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紙は濡らすと伸びるので皺にならない様、そーっと引っ張りつつ丁寧に貼っていきます。 障子の場合は相手がフラットなので張ってから霧を吹きますが、飛行機の場合まず紙を濡らしておくのが秘訣です。 ぬれたままの状態で前縁、後縁、中央、翼端、つまり周囲だけ上記のラッカーを染み込ませて紙を止めます。 |
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翼端は特に難しいです。分割して貼ったりもしていましたが、さすがは0鶴兄、一発貼りです。 | |
完成です。皺が出来たりした場合はあとで霧を吹く事によりある程度リカバリーできます。 このとき翼が捩れないよう注意しましょう。 ライトプレーンや、障子貼りお手伝い(注4)で鍛えた年代にとってはさほど難しい作業ではありませんね。 乾燥後に1:1.5に薄めたクリアラッカーを 塗ります。完全に乾燥させてから 400番位の紙やすりで軽く紙の”ケバ” をとります。この作業を3〜4回繰り返します。 クリアラッカーを塗ると紙が弛む事がありますが、乾燥すれば元に戻りますので慌ててはいけません。 乾燥して紙の弛みが戻ってから二回目を塗る事が重要ポイントです。 時間が無いからと言って生乾きで弛んだまま次を塗ると二度と戻らなくなる事があります。 心を込めてこの作業を繰り返すと 障子紙とは思えぬ光沢がでます。 光沢と言っても現在のフィルムのようなペラペラした光沢ではなく深みのある、模型少年の心のこもったヌラヌラした光沢であります。 一発で目を留めようとして濃いラッカーを塗ると刷毛目が出て汚くなります。 いそがば回れであります。 |
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注4)障子貼りお手伝い 当時の家にはやたらと障子が多く、なぜか寒い年末になると全障子の張り替えが敢行された。 貼るのは結構楽しいのであるが、問題は古い障子紙の剥離である。 障子貼りの基本は良好な下地に薄い糊であり、表具屋さんの貼った障子は水をかけるだけでぺりぺりと美しく剥げるのであるが、 素人の貼った障子紙はなかなか剥げないのである。 剥離工程は子供の仕事とされ、寒風吹きすさぶ中、屋外に搬出した障子に水をかけ糊をふやかしては雑巾でごしごしこすって剥がすのである。 大変寒いのであるが、ここで手を抜くと桟の表面に紙や糊が残り、後工程に支障をきたす。 下地の状態が悪いと紙を貼る時に薄い糊でさっと貼れないのである。 その場合やむなく濃い糊を使ってリカバリーする訳であるが、そうすると来年の剥離時にまたいっそう剥げ難くなり、より大変な目に遭うわけである。 自分が手を付けた仕事は年度を越えていつまでも自分でやらなければならないという素晴らしいシステムであった。 教育界、経済界、政界等にも導入したいシステムである。 |
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下地の白はラッカー缶スプレーで吹きました。 最近は水性塗料が多くて缶入りラッカーを売っている店が少なくて入手に苦労します。 某ホームセンターでやっと見つけましたがなんと、缶スプレーのほうが安かったので缶スプレーを買いました。 新聞紙とマスキングテープでマスキングして中央の赤を入れます。 これも缶スプレー。 缶スプレーはあとの掃除もなくてとてもお手軽ですが、塗料粉が広範囲に舞い散りますので室内では無理です。 |
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綺麗に塗り分けられています。 そして、この布ヒンジ部の美しい仕上がり。これこそ私達のこだわりの部分です。 どうでも良いような所にこだわったりするのも模型の楽しみのひとつです。 |
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子持ちラインを入れて行きます。 | |
出来上がりです。 スタントマシンオリジナルカラーにしようかと迷いましたが、今回は当時の私達の流行のパターンで塗装しました。 さらに主翼中央部に入れるマークとのマッチングも考えてのカラーリングです。 |
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フラップとエレベーターのホーンを取り付けます。 まず薄手の両面テープで貼り付けます。 |
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ホーンの穴がきっちり中央にくるように定規をあてます。 この場合 カット三角定規(注5)ではなく勉強用三角定規を用います。 注5) 「木工編(注5)角を落とした、、」 参照 |
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燃料タンクのパイプはまっすぐ出ていますのでそれぞれ慎重に曲げ加工します。 進行方向右側のパイプがキャブに行きます。LAエンジンはニードルが後(注6)にあるので取り回しが非常にやりにくいです。 左側は下がマフラーの排気圧をかけるプレッシャー用で上は注油用です。 マフラープレッシャー用はマフラーからの取り回しに無理が無いように上向に曲げてあります。 注油用は進行方向に向けてありますが、これは昔の名残です。(笑) マフラープレッシャーを取らなかった頃は下のパイプはエア抜き用で、上下とも進行方向に曲げました。そうするとキャップをしなくても飛行中に燃料が漏れない訳です。 今回はマフラープレッシャーを取ってあるので注油用のパイプにはキャップをするのを忘れないように! |
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(注6)ニードルが後 LAエンジンは燃調用のニードルバルブがシリンダー後に付いている。 燃料タンクとエンジンが近い場合パイプの取り回しに苦労するが、ニードルの調整時はプロペラとの距離があるので安全にニードル調整を行う事が出来る。 しかし、私達の場合ニードル調整時に指先がプロペラにかするのが醍醐味であったりして、どうも拍子抜けするのである。 |
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パイプを潰さないように慎重に曲げます。 |
綺麗な配管ですね。 |
例によってこの辺はY竹先生の仕事です。 | |
機体名、JAナンバー(注7)、お名前、等をさらりと入れます。 (注7)JAナンバー 日本航空協会の発行する模型飛行士の ID です。 賠償保険付ですので空物をやる方は必ず入りましょう。 案内書、入会用紙はK2Factoryにも用意してあります。 |
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そして 主翼中央に輝くパワーズのマーク (^。^) | |
このあと全面にビニローゼ又はウレタンなど耐燃料製のクリアーを塗ります。 ここだけ筆塗りしたので塗り分け部が溶けてにじんでしまいました。(;_;) そして完成です。 |
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0鶴の兄ちゃんこと0鶴長兄であります。 |