嗚呼Uコン スタントマシン製作 木工編
はっはっはっはっは(^o^)丿 子供の頃はプロフィール機なんかは3日で作ったよね! |
機体製作及び撮影 0鶴兄 構成及び文 K2F島 |
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胴体を接着します。左の方のコの字の部分がそのままエンジンマウントです。 胴体機と比較して工作時間は1/100位です。 製作簡単、墜落してポッキリ折れてもすぐ修理できる、スクラッパー機の最大のメリットがこの胴体であるわけです。 |
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主翼の組み立てです。 リブには予め番号を振っておき、上下の識別マークをつけておきます。 今回は当時流行っていたようなちょっとした改造を加えながら作っていきます。 キットは練習機ということもあり、作りやすいようにベルクランク(注1)が機体上面に露出しています。 これを内装式に改造します。目的はもちろん空気抵抗の低減となにより格好良いからです(^_^) 1.5mmで半リブを入れ、ワイヤーを通すためオフセット角に注意して二列に穴をあけてあります。 |
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注1)ベルクランク ハンドルから繋がった2本のワイヤーの動きを舵の動きに変換するクランクの一種 ベルを平たく潰したような形なのでベルクランクと呼ばれると昔何かに書いてあった。 当時はプレス打ち抜きの鉄板だったような気もする。 |
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内装式のためベルクランク取り付け台は下面に取り付け。 取り付けビスはエポキシでしっかり固定します。 |
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リブとリブの間にスパー(中央の横木)から前だけのリブを追加しています。 半リブと呼ばれ重量増を押さえつつ強度アップと実効翼形をリブの形に近づける訳です。 |
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捩れないように平板の上できっちり組みます。 昔はセメダインCを用いて乾くまで虫ピンで固定 (注2)していましたが、今は木材用の瞬間接着剤が各種出ているので場所によりうまく使い分けると工作時間が大幅に短縮されます。 注2)虫ピン 文房具屋さんでたくさん入ったのを買ってくるのだが、なぜかいつも足りなくなり、”お母さんの裁縫箱”からマチバリを拝借する事となる。 これが抜くときに頭が取れたり、残留接着剤で先がボコボコになったりして大層しかられるわけである ^_^; |
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ベルクランクを内装式にした場合はワイヤーを直接取り付けることができなくなるのでリードワイヤーを翼の外まで出しておく必要があります。 コントロールラインよりやや太目のリードワイヤーを通して荷札の針金(注3)でぐるぐる巻きにして更に折り返してぐるぐる巻きにして、エポキシか半田でしっかり接着します。 注3)荷札の針金 ちょうど良い細さの針金と言うのがなかなか入手できず、荷札の針金部だけを取って使用していた。結構用途が広かった為、荷札のみが大量に残るという事態が発生し、勤勉な私達はそれに英単語や数学の公式、物理の定理等を書いて飛行のかたわらにめくっていた。 |
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左右のフラップを連結します。 コの字型のピアノ線を刺してある訳ですが、きちんと中央にきて、かつ端面から飛び出さないようにフラップ溝を掘ります。 さらにピアノ線はクサビ型に削っておきます。 |
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フラップ裏のピアノ線が入るところにはバルサを裏当てするようになっています。 このへんKMC伝統のつくりであります。 |
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水平、垂直尾翼の加工に入ります。 垂直尾翼はクラークY(注4)に成型。 指定角にて舵角をつけて角を落とした三角定規(注5)をあてて垂直をピシッと出して接着です。 |
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垂直尾翼がクラークYになっているのがわかります。 |
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リードワイヤーを通す真鍮パイプを翼端板に取り付けておきます。 ワイヤーは胴体に対して直角ではなくやや後にオフセットして(注6)いますので、図面通りにラインを出して取り付けます。 注6)オフセットして、、、 Uコンは2本のワイヤーでラジコン機のサーボに相当するベルクランクを動かす事によりコントロールされる。 ワイヤーには常にテンションが要求される訳であるが、このクラスでも15〜17mもあり遠心力だけで張力を保つ事は不可能である。 常にワイヤーに適正なテンションを与え、また、ワイヤーの抵抗と重量、左右の翼の揚力差、等々の複雑に絡み合ったパラメーターをキャンセルするために左回りのUコン機は 右蛇角、右エンジンスラスト、長い左翼、翼端ウエイト、ワイヤー角のオフセットなど色々な手段を講じてワイヤーのテンションを保ちつつまっすぐ飛ぶように設計されているのである。 |
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これまた”お母さんの裁縫箱”から拝借する木綿糸。パイプを翼端板に縫い付けて、、、、、 |
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エポキシ系接着剤で固定します。 なんと日本的手芸的工程でしょう!しかしこれが一番強くて弾力性に富みトラブルフリーなやり方である事は間違いありません。 なんだか草鞋(わらじ)とか蓑とか竹で編んだ籠とか、、そういう日本的な合理性を感じる工程でありました(^_^) |
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フラップは翼中央部だけなのでフラップ材や主翼後縁部の加工は写真赤線の左右で異なってくるので注意しましょう。 えいやっと一発でやってしまうと後で困るわけです (-_-;) |
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翼端版は現物合わせで少しずつ削って行きます。 子供の頃はなかなかこう綺麗には行きませんでした. ちなみに翼端ウエイトは20g |
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このリボンは何でしょう?? 普通の方にはわかりませんね。これは布ヒンジといってフラップ等の可動部に互い違いに貼って蝶番のようにつかいます。 |
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こればかりは瞬間接着剤は使えません。 昔ながらのセメダインCです。瞬間でやるとヒンジがガチガチになって舵を切るうちに折れてしまいます! なぜ木工用ボンドではなくセメダインCなのか? それは後で表面をフラットに削るときに木工用では乾いてもふにゃふにゃして削れないのです。 |
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まず舵の方にたっぷりとセメダインCを塗ってヒンジを貼り付けます。 セメダインCが満遍なく染み込み、なおかつヒンジが密着するようにエンビ板などを用いて丁寧に押さえます。 ここで手を抜くと表面がボコボコになって後で塗装のときに苦労します。 |
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ヒンジが舵の方にしっかり接着されて乾燥したら今度は同様に翼に取り付けます。 同時にやったほうが早いような気もしますが、かつて同時にやろうとして成功した人はいません。 フラップ中央部の布ヒンジです。補強版がヒンジの分だけ切り欠いてあるのが泣かせます。0鶴の兄ちゃんらしい丁寧な仕事です。 だんだん手がべとべとになって来ますし、同じ作業の繰り返しで飽きてきて投げやりになり最初と最後の方では仕上がりにかなりの差が出たりしたものですが、、 |
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さすが0鶴兄、全て完璧。翼に吸い付くようなフラットな仕上がりとなっています。 | ||
エレベーターホーンへのリンケージです。 リンクが途中で”く”の字に曲げてあるのは上げ舵(注7)のとき翼と干渉しないように逃げを作ってあるわけです。 注7)上げ舵 フラップの場合エレベーターとは逆で下がるとアップ。 Uコンの場合のフラップは着陸時の揚力アップの為ではなく運動性向上のためのいわゆる”空戦フラップ”である。 |
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尾輪ではなく尾ソリです。 さあ、どうやって通したのでしょう ??? 簡単ですね、通してから曲げただけですね。 でも当時几帳面なやつほど、まず図面通りにピアノ線を曲げてしまい、通せなくなって悩んだものです。 |
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ピアノ線を通してからエポキシ接着剤で固定します。あて木をしてクランプでしっかり押さえます。 クランプは数種類あるとあちこちで大変役に立ちます。 |
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主翼や尾翼の取り付けは直角、水平がきっちり出るように慎重に行います。 尺金、三角定規、スケール、水平器などあるものは総動員しましょう。 |
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次は主翼中央部のバルサプランク(注8)です。 一枚では長さが足りないので瞬間接着剤でつなぎます。 注8)バルサプランク リブ組みした翼の一部又は全てにバルサを貼る事。 中央プランク、セミプランクそして、全面を覆うのをフルプランクという。 重量は増加するものの強度は大幅に向上し、均一な翼型となる。 大型RCスタント機などはほぼ例外なくフルプランクである。 また、性能強度面以外にも微妙なヒエラルキーを形成し、プランク面積の比率が高いほど偉いとされた。 |
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サンディングブロック(当て板)にサンドペーパーを貼り、斜め45度(注9)にサンディングします。 |
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注9、)斜め45度 あらゆる工作の角度は概ね45度と相場が決まっている。 平行ではすべる感じでうまくサンディングできず、直角だとと引っかかり、第一先程接着したばかりの個所がバリバリと外れてしまう。 しかし42度や47度と比較して顕著な相違点が見られるわけではなく、分度器による計測や、ドラフターを用いたりするほどの必要性は無い。 |
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サンディング粉をよく飛ばしてから、濡れ雑巾で片面を拭きます。 こうするとバルサがひとりで湾曲してくれます。 |
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プランク部とその先を面一にする為にプランク部のリブとスパーはプランクバルサの厚み分削って薄くしてあります。 |
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”濡れ雑巾”が効いて湾曲しているので綺麗にフィットします。 | ||
主翼プランクは原図より1リブスパン分 延長しています。 |
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胴体部も綺麗にカバーしてみました。 | ||
プランクの完了した機体上面。 リンケージロッド部の加工も美しいです。 |
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こういう所の仕事の丁寧さが0鶴兄の特長であります。 |
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Jボルトで固定されたメインギヤ(主脚)を下から見たところ。 このJボルトはなんとJISネジ!? ナットを無くさないように気をつけましょう ^_^; |
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生地完成状態のスタントマシン |
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Uコン技術 1975年11月号 に原譽祠選手のスタントマシン製作記事を発見! | |
当時は製作記事と共に図面も掲載されており、Uコン少年はこれを元に模造紙に実寸の図面を起こしバルサやヒノキ棒を買い求め機体を自作したわけです。 でも図面の書き違いや、勘違い、未熟な工作精度などにより元設計とはかけ離れたオリジナル機が完成する事も多々あったのであります。(-_-;) |